横浜市の訪問看護ステーション芍薬では、在宅ホスピス緩和ケアを含む訪問看護を24時間365日いつでもご提供いたします。

横浜市の訪問看護ステーション芍薬 株式会社GCI Global Caring Innovation

24時間対応体制
営業時間以外でも、ご希望の方には必要に応じて訪問いたしますので、当ステーションにご連絡ください。
深夜・日曜日・祝日・年末年始も連絡が取れ、かつ必要に応じて看護師が緊急訪問する体制を取っています。

GCI活動レポート 2016

当組織が大切にしていることと、その一環としてのELNEC-J全員受講の方針

(株)GCI(訪問看護ステーション芍薬/芍薬青葉母体)教育担当 小澤 愛

 当組織は、「世界最高水準の在宅ホスピス・緩和ケアの提供を通じて地域社会、日本、そして世界のウェルビーイングの向上に貢献すると共に、参画人員個々のリーダーシップと参画人員間のチームワークの育成を通じて、参画人員個々の職業人としての資質向上と、人間としての成長に貢献する」を理念として活動しています。

 小児から高齢者、がん・非がんと対象者は幅広く、また、ソーシャルワーカー/ボランティアと共に関わることで全人的ケアである在宅ホスピス・緩和ケアの提供を実践しています。

 当社の看護師の教育システムにおいては、組織理念の遂行が目標であり、ELNEC-J受講は必須研修としています。

 必須研修の個人の目的(として)は、
①現場の事象を、エンドオブライフの視点でアセスメントすることができる
②現場の事象を、エンドオブライフの視点で言語化することができる

 また、チームとしての目的は、
①現場の事象を、共通言語を持つことでチームとして認識することができる
②現場の事象を。チームとして認識しアセスメントすることができる
としています。

 短時間でも全く同じコンテンツを学ぶことで、メンバー間に共通の土台ができ、その後の現場でのチームワークが取りやすくなる、と考えています。従って、可能な限り看護師以外の職種にもELNEC-Jを受講してもらっており、これまでにボランティア2名、ソーシャルワーカー1名が受講しました。また、在宅支援の一つである訪問看護には、「個々の訪問の際には一人で御利用者を看るが、現場を離れた後、アセスメント結果等をその現場を知らないチームメンバーと共有する」という特徴があります。この為、看護師のスキルとして必要かつ重要なことは「言語化・概念化」です。自己のアセスメント結果や、何故その看護を実践したのかを、他のチームメンバーと共有し納得を得る為には「言語化」能力は必須です。また、個々の看護実践から看護の本質に関わる深い学びを得て、かつ、それを次にも活かし続けていく為には、「概念化」し一般論として自分自身の中で汎用的に利用できるレベルにまで定着させられる能力が必須となります。チームメンバー全員が「言語化・概念化」できると、個々の看護実践から得た本質的な学びをメンバー全員で共有でき、次に活かし続けていける、即ち、自律的に成長できるチームが出来ると、当組織は考えているのです。

 緩和ケアに携わる看護師の役割には、基本的な役割に加えより専門性の高い役割があります。(下記参照)

 以下にELNEC-J受講者の感想文を掲載いたします。感想文から、それぞれのスタッフが基本的緩和ケアのスキルの学びに加え、より専門性の高い緩和ケアを提供する看護師として、スキルアップを望み、その学びができたことを実感することができたということがお分かり頂けると思います。

 組織の教育担当者として、これからもチームとしてより専門性の高い緩和ケアの提供を目指すことができる組織作りに、試行錯誤していきたいと思っております。

 最後に、専門的緩和ケアを担う看護に求められるコアコンピテンシーを記載いたします。緩和ケアを必要としている人達が、より「その人らしく生きていける」ように日々精進してまいります。

 基本的在宅緩和ケア
①患者の声を聴き共感する姿勢
②信頼関係の構築のためのコミュニケーション技術(対話法)
③多職種間の連携の認識と実践のもと、がん性疼痛をはじめとする諸症状に対する基本的な対処によって患者の苦痛の緩和をはかる

 より専門性の高い在宅緩和ケア
*「基本的緩和ケア」の技術や知識に加え、多職種でチーム医療を行う適切なリーダーシップを持ち、緩和困難な症状への対処や多職種の医療者に対する教育などを実践し、地域の病院やその他の医療機関等のコンサルテーションにも対応できる
①患者・家族の価値観を尊重するケア
②基本的緩和ケアで対応困難な症状のマネジメント
③家族・遺族へのケア
④がんとともに生きることを支えるための継続的な支援
⑤基本的緩和ケアの担い手に対するコンサルテーションと教育的な関わり
⑥苦や死に向き合って生きる 患者・家族を支える

 専門的緩和ケアを担う看護師に求められるコアコンピテンシー
①患者・家族のありのままを理解し、尊重する
②協働するメンバーをエンパワメントし、良好なチームを育む
③意欲的に専門的緩和ケアを担う看護師としての役割・責任を果たす
④患者・家族のスピリチュアルな苦悩に向き合い、支える
⑤患者・家族のケアニーズを洞察し、問題に早期から対応する
⑥患者・家族のニーズや状況に応じて、柔軟にコーディネートする
⑦専門的緩和ケアを実践するうえで遭遇する自己や協働するメンバーのストレス・悲嘆に対処する
⑧苦や死に向き合って生きる患者・家族を支える
・日本ホスピス緩和ケア協会 専門的緩和ケア看護師教育用ガイド2015より

 最後に
ELNEC-Jのモジュールの中でも「倫理」については、特に訪問看護で重要なものとして当組織はとらえています。この為、倫理に関しては専門家に相談しながら、教育プログラムを開発している途上です。ホスピス・緩和ケアでは倫理に関わる局面が多いというだけではなく、私達は「倫理」を「ご利用者・ご家族、そして地域社会の為に最善なことの実践」と捉えています。ですから、日々スタッフは「倫理」の問題に直面していることになります。また、訪問看護では正式な指揮命令系統では動かすことのできない、無数の事業所、しかもバックグラウンドが全く異なる、見方や考え方の異なる多職種の事業所と関わっていかなければならなりません。こういった多種多様なチームメンバーの心がひとつになるには、「ご利用者・ご家族、そして地域社会の為に最善なこと」とは一体何なのかを一緒に考え、それを共に実践していくこと以外にはないと思っています。訪問看護師がしっかりと個々の「倫理」に関わる事象を抽象化された概念として俯瞰的に捉え、それを言語化して他職種に分かり易く伝え、多職種チーム全員が納得しうる具体的な問題解決策を編み出し、そしてそれを実際に現場に導入していける、そんな地域でのリーダーに、訪問看護ステーション芍薬/芍薬青葉の看護師全員になってもらいたいと思いながら、教育担当として日々邁進しています。


ELNEC-Jコアカリキュラム看護師教育プログラムに参加して

訪問看護ステーション芍薬 訪問看護師

 今回のプログラムに参加して感じた事や学んだことを述べる。
訪問看護ステーションで働き始めて1年と少し、高齢者と関わることが多くなり、「死」というものを意識することがより多くなった。初めて家で看取るという貴重な経験もした。私のイメージしていた「死」というものはただただ悲しいというものであり、その悲しみをどのように取り除いてあげたらいいかといつも悩んでいた。
今回講義を受けたエンド・オブ・ライフ・ケア。あまり耳なじみがなく、正直自分の中ではあまり考える事はなかった。しかし、エンド・オブ・ライフ・ケアの概念では疾患を限定していないこと、患者・家族と医療スタッフが「死」を意識するようになった頃から始まる年単位に及ぶ幅のある期間であり、いつも看護を提供している利用者様全員が対象となるのだと学んだ。そして、死を意識するということは、高齢者、障がいを持って生まれた小児、突然がんを患ってしまった成人と年齢層や状況も様々であり、年齢や疾患は関係ないのである。
訪問看護ステーションで働き始めて、死期が近い利用者様に亡くなる前から訪問回数を増やしたりサービスを考えたり、パンフレットを用いて亡くなるまでの過程を説明するなどの介入も重要な看護なのだと感じた。そして、在宅で家族に見守られながら「お疲れ様でした、ありがとう」と言われて亡くなった方を看取った時に、家族や対象者が「死」というものを意識し、亡くなるまでにどのように生きたいかのプロセスが重要であり、これがグリーフケアにつながると学んだ。死を意識するようになった頃から、コミュニケーションスキルの「傾聴」「共感」「沈黙」「共にいること」が特に重要となる、とあるように、看護師としてなにかをしてあげなければならないと思いがちであるが、誰かがそばにいて話を聴いてくれたり、寄り添ってくれるだけで心が穏やかになり、悲しみというものは0にはならないが軽減はできるのかもしれないと思った。

 最期に、エンド・オブ・ライフ・ケアとはQOLを最期まで最大限に保ち、その人にとってよい「死」を迎えられるようにすることを目標とするとある。QOLとは「生活・人生の質」であるが、人それぞれ違った価値観を持っている。自分の価値観ではなくその人の価値観がどうかが重要なのである。
対象者の価値観を大切にし、日々のケアを丁寧に行うことを念頭に置き日々働いていきたい。


ELNEC-Jコアカリキュラム看護師教育プログラムに参加、修了して

訪問看護ステーション芍薬 訪問看護師

 今回、2日間の「ELNEC-Jコアカリキュラム看護師教育プログラム」に参加し、私にとってのエンド・オブ・ライフ・ケアを再確認することができたと感じました。

 芍薬での看取りは老年終末期とがん末期を経験していますが、それぞれに経験したこと、反省したこと、学んだことがありました。それらのことを各モジュールで振り返り、あてはめていくことで理解を深めることができたと思います。

 モジュールの中でいくつか印象が強かったことがあったのでそれについてまとめてみます。2日目に事例3パターンでロールプレイを行ないました。事例1-外来でがん告知を受けた場面:観察者役、事例2-がん末期男性独居在宅療養前の場面:看護師役、事例3-ADL低下、排泄ケアの介護を受けることに死にたいという場面:患者役を経験しました。
事例1では看護師役の方が外来経験ある方だったので、別室に案内するという自分では想定出来ないことを提案され、環境作りをされていました。観察者としては看護師役が言葉を選んで接してくれていることが伝わり、患者の立場からは自分の聞きたいことはもっと明確に言って欲しかったという気持ちになりました。
事例2では看護師役だったのですが、設定が自分の経験を踏まえて行なうことになったので、途中から自分の傾向を客観的に観察することが思いがけずできました。ロールプレイ5分という時間にもとらわれていた点もありますが、自分が想定できるプランができていたのでそれを出来る限り伝えようとしていたことに気づきました。傾聴を心がけ、患者役の方もその姿勢は感じてくれていましたが、先々のことを考えるのが追い付かなかったという感想がありました。限られた時間で伝えたい思いが先走っていたと経験しました。
事例3の患者役では「死にたい」という気持ちを吐露することの重大さを痛感しました。当然、年齢やそれまでの人生経験、環境は違うので様々な感情が入り乱れると思います。その感情を受け止める、吐露できる相手に自分がなれるか問うことになりました。

 最後に決意表明のようなグループワークがありました。
私は自分の価値観にとらわれず、利用者、家族の価値観を理解することに努め、
「利用者、家族の想いを表出できる場面をつくることができる力をつけていきたい。」
と決意表明をしました。


ELNEC-Jを受講し学んだ事

訪問看護ステーション芍薬 訪問看護師

 今回の研修ではエンド・オブ・ライフ・ケアの概要から、痛み、症状、倫理面、文化、意思決定を支える上でのコミュニケーション、喪失悲嘆死別、臨死期、高齢者、ケアの質という観点で学習を行いました。
 エンド・オブ・ライフ・ケアとは疾患や時期を問わず、死に向けて苦痛の予防と軽減を図り、QOLを向上させるためのアプローチであり、「病いや老いなどにより、人が人生を終える時期に必要とされるケア」です。病いや老いは、その人によって感じ方が違い経験や生活背景、価値観によって変わってきます。だからこそエンド・オブ・ライフ・ケアの特徴であるその人のライフに焦点を当てる事や、QOLを最後まで最大限に保ちその人にとってのよい死を迎えられるようにする事が必要になってきます。
 研修では特に、倫理、文化、意思決定と高齢者のモジュールが心に残りました。エンド・オブ・ライフ・ケアを実践するには、対象者と家族が病状や治療についてしっかり理解しているか、医師の説明が十分になされているか、他職種との連携が取れているかを早期から確認し、継続的にタイミングを押さえて介入する事が大切です。しかし今までの経験では、看護師としての介入の仕方やタイミングの取り方は難しく、またそのような場面では死に関連する話をしなければならないという重圧やストレスも感じていました。訪問看護の現場では、限られた訪問時間の中で対象者や家族の気がかりや価値観を確認し、将来意思決定が低下した際にも望むケアを提供出来るようにする為にはスタッフ一人一人に高い技術と知識が求められることと思います。難しい役割ではありますが、利用者の生活に近く医療知識を持っている看護師だからこそ出来る事でもあります。効果的なエンド・オブ・ライフ・ケアを行えるよう、①日頃から本人・家族の意向や理解度を確認する ②ライフスタイル、価値観、生き方を知る ③他職種と連携をとる ④節目節目で意向や方向性、目標とするものを確認する、これらの視点を忘れないようにし、情緒的サポートやアサーティブネスな態度で介入して行きたいと思います。
 高齢者のエンド・オブ・ライフ・ケアでは、老いは個人差があるものの、高齢者は徐々に自分で自分の事が出来なくなってゆき、他人の手を借りなければ生活を送る事が難しくなるからこそ、日々繰り返される日常生活ケアを丁寧に行う事が、高齢者の尊厳を保つ事につながるという事を知りました。日々何気なく行っている日常生活ケアでしたが、それ自体が緩和ケアにつながっているという事は自分にとって大きな気づきでした。
 研修を終えて、私自身、今後は柔軟性とバランスをもった視点でエンド・オブ・ライフ・ケアに取り組んで行きたいと感じました。今まで、経験があるからこそ、「この方法がいいはず」「こうしないといけない」「これが正しいのに何で伝わらないのだろう」と視野が狭くなっていた部分があるかもしれません。様々な背景や考え方、価値観があるという事実に目を向け、その方が「尊厳をもって死に至るまで生き」「死に至るまで、自らの存在を肯定する自尊心をもって生きる」事が出来るようエンド・オブ・ライフ・ケアを実践出来ればと思いました。